2016年4月3日 番外編 この前見た映画とおまけのピザのはなし


2016年の春に綾野剛が出演する映画の
本が出る、というのを知ったのが、
昨年の11月半ば

実際にその本を買って、
一気に読んでしまったのが12月初め

待ちわびた映画の公開をつい先日
ようやく迎えて、観てきました

リップヴァンウィンクルの花嫁

恥ずかしながら今まで岩井俊二監督が
どういう方で、どんな作品を過去に作ってきたのか、全く知らないまま生きてきたので、今になって、すごい人なんだ…と思っています
(小説を読んでいる時も、ただの作家さんだと思って読んでいました…無知怖い…)

監督が黒木華ちゃん、Coccoさんに
当て書きして書いたこのお話、
お二人でないと絶対に出来なかっただろうなと思います

放送を聞いていたからかな、
その時の空気感と、映画の中の
七海と真白の空気感が本当に変わらなくて、
七海と真白で、演技をしているはずなのに
まるで華ちゃんとCoccoさんが
笑って泣いてはしゃいで、生きているようで

言葉ひとつとっても、
セリフなのにセリフではない、
自身の言葉として聞こえてくる
すごく、印象的だったな

そういう風に、自然体で
ただ生きるように演技をしているから
観ている側はまるで、七海の人生を
一緒に体験しているように思えるんだなぁ

気を張って観ていないと、
言葉や仕草、行動の所々に見え隠れする
思惑や鍵に気付けない
あの言葉はもしかしてこういうこと?
この描写はこういう意味があってのこと?
目まぐるしく考え、感じながら観るから
180分が本当にあっという間に思う


綾野くん演じる安室は、
誰にとっての悪で、誰にとっての正義であり味方なのか
関わる人によって安室はどんな立ち位置にもなる
安室のいろんな顔を要所要所で
チラリと見せるから、観ている側でも
安室が良か悪か、印象が分かれるかもしれない

いったいどこまでが本当でどこからが嘘なのか、分からなくなって、全てが疑わしくなる
安室が見せる世界に嵌っていってしまう

七海にとっては、あらゆる場面で
自分を救ってくれた安室がまるでヒーローのようで、いつだって助けを求めてしまう
でも、安室にとっては数ある仕事の中の
ひとつでしかなくて、その2人の温度差が、
こちらに不信感を募らせる

でもそういった、嘘だらけの、
何を信じたらいいかわからないこの世界で、人の目を気にして、いつも揺れていた七海が、安室や真白、その周りの人たちと出会って、徐々に変わっていく
クラムボンでもなく、カムパネルラでもなく
皆川七海として生きていく自信と楽しさを見つけていく
ウエディングドレスを着て、車の窓から
顔を出す華ちゃんの顔が、冒頭のシーンとは別人のように晴れ晴れとして幸せそうだったことがそれをちゃんと表してくれていると思った

同じように、七海は気づいていないかもしれないけど、
七海と出会ったことで安室や真白も
変わっていっている気がしたのは
私だけかな


幸せなお話ではないけど、
悲しいお話でもない
この世界は本当は優しいんだよってことを教えてくれる


時折笑ってしまうような場面もあって、
ふっと息が抜けた気がする

まだ見つけきれていない鍵とか
瞬きの間に見逃したかもしれない華ちゃんのぐっとくる表情とか、もう一度観たい洋次郎の演奏シーン、綺麗に澄んだ華ちゃんの歌声とか、沢山あるので私はもう2回くらい観たいです


おまけのピザ

ナノユニバースのレストランで
コラボメニューを展開していて、
本当はそこでランチしてから観るつもり
だったのだけど、時間がなくて、
下のテイクアウトでピザを買った
結局観入ってしまって食べることなく
3時間過ごしてしまったのだけどね
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